認定NPO法人 もりのこえん

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もりあそびより

人様に迷惑をかけない子を育てる

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子どもにどう育ってほしいか——
街頭インタビューで「チャレンジ精神」や「自分の意見を持てる子」よりも、
「人に迷惑をかけない子」と答える保護者が、日本にはとても多いそうです。

でも私は、「人に迷惑をかけずに生きるって、本当にできるのかな?」と、
疑問に思っていました。
生きていれば、誰かの手を借りたり、意図せず誰かを困らせたりすることはあります。
だから私は、「迷惑をかけても、迷惑と思われない関係を築ける人に育ってほしい」と思って、
子育てをしてきました。

そのために、私は我が子をいろんな人に託してきました。
たくさんの人に出会い、知ってもらい、愛してもらう。
そして我が子自身も、いろんな家庭の文化や価値観に触れてほしいと願っていました。

人との関係は、時間とともに育っていきます。
やっぱり、よく知っている子どもは、自然と可愛いと感じるものです。
よその家庭の文化を知ることで、自分の常識が揺らぐ経験もできます。
「あれ?これって他の家ではNGなんだ」とか、「こっちではこうするんだ」とか。
そうやって子どもたちは、失敗を重ねながら、
自分のふるまいを身につけていくのだと思います。

そして親ができることは、失敗して誰かに迷惑を
かけてしまうかもしれないことを受け入れて、
「どうぞよろしくお願いします」と送り出し、
「ありがとうございました」と頭を下げて、
できることで返していくことなのだと感じています。

先日、もりのこえんの卒園児たちと旅行に行きました。
子どもたちは切符を買ったり、お金を管理したり、
ご飯を作って片づけたり……とにかく失敗ばかり。
いつもはお父さんお母さんがしてくれているのだから、
失敗しても仕方ありません。
でも、それを「迷惑」だなんて思いません。
いつも一緒に過ごしている、大切な子どもたちだからです。
この関係の中には、「迷惑をかける子ども」なんていません。

話しは少し変わりますが
うちの息子が中3の春、友達と家の前で遊んでいて、お隣さんに警察を呼ばれたことがありました。
声が大きくて怖かった、ということだったそうです。

母に話したら、こう言われました。
「子どもたちはいろんなことをやりたいし、実際にいろんなことをやらかすんよ。
でも、子どもたちがそうやって育っていく環境をつくってやるのは、大人や親の役割。
あんたがご近所ときちんとそういう関係づくりをしてないからあかんのや。
みかん送ってあげるから、ご近所に挨拶してまわりなさい」

次の日、本当にみかんが送られてきました。

「人様に迷惑をかけないように」とは、母は一言も言いませんでした。
それよりも、「子どもたちのために、大人たちが環境づくりをし、
そのための関係づくりをしなさい」と教えてくれたのです。

「迷惑をかけないように」と子どもを囲うのではなく、
たくさんの人とつながって、頭を下げて、子どもがのびのび失敗できる環境をつくる。
それが、親である私たちにできる、精一杯の準備なのだと思います。

さゆり

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