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もりあそびより

魚とカキの話から、組織の在り方と子どものことを考えた

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先日、旅行に行ったときに、ちょっと面白い話を聞きました。

水族館などに魚を運ぶとき、
その魚だけを水槽に入れて運ぶよりも、
なんと、天敵になる魚を一緒に入れて運んだほうが、
運ばれる魚の生存率が高くなるのだそうです。

「へー、そんなことがあるんだ」

と思いながら、その帰りに船に乗りました。

すると今度は、船から見えるカキいかだの説明がありました。

そのカキいかだは、私たちが想像するようなぷかぷか浮かんでいるいかだではなく、
2本の支柱を立て、そこに竹を渡し、
その竹からカキをぶら下げて養殖するのだそうです。

この方法だと、潮が引いたときには、
カキが水面から出てしまう時間があります。
そのように時々厳しい環境にさらされることで、
病気などにも負けにくい、生命力のあるカキが育つのだそうです。

もちろん、これは魚やカキの話。

そのまま人間に当てはめることはできません。
病気になるほどのストレスを与えることは、
もちろんあってはいけないことです。

でも、この話を聞いてから、
「生きる力って、どうやって育つんだろう」
ということを考えました。

これは、子どもだけの話ではないのかもしれません。

たとえば、組織やグループ、町内会のようなコミュニティも、
みんながいい人で、仲良く、何の問題もなく過ごしていることが、
必ずしも「強い」ことではないのかもしれません。

ときには意見がぶつかったり、
「このままでいいのかな」と考えたり、
少し難しいことに挑戦したり。
自分たちの今の力量より、
ほんの少しだけ先にあるものを目指して努力していく。

与えられたことや、既存ことをただ続けるのではなくではなく、
立ち止まって考えたり、試したり、失敗したりしながら、
そのたびに自分たちの力を少しずつ増やしていくコミュニティのほうが、
変化の中でもしなやかに生き残っていけるのかもしれません。

そして、これは子どもの育ちにも、
少し似ているような気がします。

失敗したらかわいそう。
できなかったらかわいそう。
危ないからやめておこう。
困らないように、大人が先回りして全部用意してあげる。

そんなふうに、子どもが困らないようにすることばかりを考えていると、
もしかすると、子ども自身が「やってみる」「考えてみる」機会まで、
大人が奪ってしまうことがあります。

もちろん、子どもを危険にさらしたり、
抱えきれないストレスを与えたりすることとは違います。

安心・安全を大人がしっかりと見守る中で、
子ども自身が「どうしよう」と考えたり、
「やってみよう」と試したり、
うまくいかなかったら、もう一度やってみたり。

そんな時間を、ちゃんと残しておく。

そして、大人にできることは、
ただ見守っていることだけでなく
子どもの力を信じて、
「やってみたい」という気持ちを見守る。
そして、ときには、
自分ひとりでは勇気が出ないときに、
「やってみよう」と思える力を渡してあげる。
そして、もし失敗したり、
迷ったり、うまくいかなかったりしたときには、
「よく頑張ったね」
「やってみたね」
と、その子の挑戦そのものを温かく受け止める。

できたことだけを認めるのではなく、
やってみたこと、迷ったこと、失敗したことも含めて、
そのまま包み込んであげる。

そうやって安心できる場所に戻ってこられるからこそ、
子どもはまた、
「もう一回やってみようかな」
と思えるのではないでしょうか。

見守ること。
背中を押すこと。
そして、戻ってきたときには、温かく受け止めること。

その繰り返しの中で、
子ども自身の「やってみる力」が育っていく。

魚やカキの話から、
ずいぶん遠くまで考えてしまいました。

でも、もしかすると、
「生きる力」というものは、
何もかも整えられた場所で育つものではなく、

安心できる場所を土台にしながら、
ちょっとだけ難しいことに出会い、
自分で考え、試してみる中で、
少しずつ育っていくものなのかもしれません。

そしてそのそばには、
「大丈夫」と信じて見守ってくれる人と、
「やってみよう」と背中を押してくれる人と、
「よく頑張ったね」と受け止めてくれる人がいる。

そんな環境の中でこそ、
子どもは自分の力で、
また一歩、前に進んでいけるのだと思います。

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