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もりあそびより
里山の手仕事
- みんなde里山体験

2月22日(土)。雪が降りしきる絶好の手仕事日和の中、
ほうきづくりをしました。
昔の人は、農作業ができない冬の間、家でわらを編んだり、
竹かごを作ったり、編み物をしたりして過ごしていたのでしょう。
そんな風景を思い浮かべながらの一日でした。
雪の降る日にもかかわらず、参加者の皆さんには、
駐車場からもりのこえんまで少し歩いていただきました。
「こんな日に歩かされるなんて!」と思われたかもしれませんが、
雪の降りしきる中を歩くことなんて、最近はなかなかないですよね。
日常とは少し違う体験、なんだかわくわくしませんか?
寒さに背中を丸めていると、体まで縮こまってしまいます。
でも、背筋を伸ばして深呼吸をすると、体の奥まで瑞々しい空気がしみわたって、
本当に気持ちがいい。
ああ、こんな美しい日に、森重さんの美しい手仕事を教えていただけるなんて、
なんて幸せなことでしょう。
今日作ったほうきは、稲わらの「ミゴ」と呼ばれる、
お米の付いている芯の部分を使ったもの。
昔ながらの方法で、一つひとつ手を動かしながら作り上げました。
里山での暮らしには、たくさんの知恵と技術があります。
しかし、それらは口伝えや見よう見まねで受け継がれてきたもの。
伝える人と引き継ぐ人がつながっていかなければ、やがて途絶えてしまいます。
「日本には資源がない」とよく言われますが、実はとても豊かな国です。
その資源を生活の中で活かす知識や技術を、次の世代へと伝えていきたい。
昨日は、一生懸命手を動かし、12本の個性あふれるほうきが生まれました。
時間と手間をかけて作ったものは、やっぱり愛おしい。
自分で道具を作り、それを大切に使う心も、一緒に伝わっていくといいなと思います。
私たちも、それを伝えるひとりでありたいです。
さゆり

瀬戸内オリーブ基金助成事業