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もりあそびより
効率よく、無駄なく、有益に
- 園の日常

先日、子ども達がふたりで、延々と土を掘り続けていました。
ずーっと、なんの意味もなく、ただひたすらに掘る。
効率よく、無駄なく、有益に。
気づけばそんな言葉に囲まれて、時間に追われるように暮らしています。
子どもたちにも、つい同じ物差しを当ててしまう。
早くして、次に進んで、と。
でも、そのたびに、何か大切なものを取りこぼしている気もします。
昔、「モモ」というお話を読みました。
人々が「時間を節約する」ことに夢中になる世界で、
知らないうちに大切な時間が奪われていく。
ゆっくり話をすること、誰かとただ一緒にいること、意味のないように見える時間。
それらが削られていくほどに、人の心は貧しくなっていく。
そんな世界の中で、モモはただ「人の話を聴く」ことで、
失われていくものをつなぎとめようとします。
モモが教えてくれるのは、時間は貯めるものではなく、
生きるものだということです。
何かの役に立つかどうかではなく、その時間の中に自分がいるかどうか。
誰かと共にあるかどうか。
目の前で土を掘り続ける子どもたちは、
きっとそのことを、言葉にせずに知っています。
何かを成し遂げるためではなく、その時間そのものを生きている。
だからこそ、あの静かな集中と、揺るがない満足があるのだと思います。
子どもが子どもである時間は、限られています。
けれど、その時間は、決して何かの準備ではなく、
それ自体がかけがえのない「いま」なのです。
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