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もりあそびより
香月泰男の詩集
- その他の活動

現在、香月泰男美術館で「香月泰男の春・夏・秋・冬」という展覧会が開かれています。
https://www.kazukiyasuo.com/exhibition.html
私が香月泰男さんのお名前を初めて知ったのは、
たぶん山口に住み始めて10年以上経ってからのこと。
松元ヒロさんのソロライブで、
ヒロさんが長門での公演の際に香月泰男さんの《シベリア・シリーズ》を鑑賞され、
そのことをお話しされていたのがきっかけ。
ちなみにヒロさんは、公演で訪れた土地では
できるだけその地域の歴史や文化を知るために、実際に足を運ばれるのだそうです。
我が家にやってくる素敵なアーティストの皆さんにも、
山口の美しい自然や文化を知ってもらいたいなあと思うのですが、
皆さんお忙しいし、息子には「母さんは遊ぶことしか考えてない」と叱られるので、
なかなか実現しません。
それでも、隙あらば無理やり連れ回してしまう私。
みなさん「楽しかった」と言ってくれますが、
もしかしたら、ちょっと迷惑がられているかも(笑)。
さて、香月泰男さんのお話。
《シベリア・シリーズ》があまりに有名なので、
美術館にも重たいテーマの作品が多いのかと思い、
しばらく足が向かなかったのですが、その後、もりのこえんで
毎年油谷にキャンプに行くようになり、その下見のついでに美術館を訪れました。
そこで初めて、香月さんが生まれ故郷・三隅のまちや自然を深く愛し、
ユーモアと遊び心に満ちた方だったことを知りました。
それからというもの、香月泰男美術館は私にとって大好きな場所になりました。
(そしてなぜか《シベリア・シリーズ》とはまだご縁がなく、実物を見られていないのが残念。)
長門方面に行くときは、金子みすゞ記念館とあわせて、できるだけ立ち寄りたい場所です。
そんな大好きな香月泰男美術館で、いま詩人・谷川俊太郎さんとの
「詩と絵の往復書簡」のような展示が開かれています。
香月さんと谷川さんに繋がりがあったことは少し意外でしたが、
谷川さんの詩に香月さんが絵を描き、香月さんの言葉を谷川さんが詩に紡ぎ、
それぞれの作品が響き合うように展示されています。
紡がれた言葉はシンプルなのに、胸にすっと入ってきて、
その情景がありありと動き出すような躍動感にあふれています。
静かに佇む美術館の中で、その世界がゆっくりと広がっていく感じ——
ぜひ多くの方に体験してほしい展示会です。
もし期間中に行けないという方は、県内のあちこちに置かれているチラシだけでも、
ぜひ手に取ってみてください。
惜しげもなく、香月泰男さんの絵と言葉が掲載されています。
この展示のもとになった詩集があるそうなのですが、いまは絶版。
どうしても欲しくてメルカリを見てみたら──あった!
メルカリ万歳!!
毎晩、寝る前にその詩集を開いては、
「ああ、美しい、美しい」とつぶやきながら、
心が洗われるような時間を過ごしています。
皆さんも、ぜひ行ってみてください。
おすすめです。
sayuri.i


