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もりあそびより
水そうめん物語2
- 園の日常
さてお待ちかね、水そうめん物語の続きです。
Tくんのお誕生会の日、子どもたちは前日の帰りの会で確認した持ち物を見事に全員忘れて来てしまいました。
でもTくんがやりたいのは「そうめん流し」なのです。
とにかくみんなで竹を伐りに行くことになりました。
* * *
TくんとJくんとRくんが軍手をはめて1本ずつノコギリを持ち、Rくんがクヌギの森にも竹が生えていることを思い出したので、みんなで萩往還の石畳を登って行きました。
規則正しく植えられたクヌギの中に、隣の竹林から迷い込んだ竹が1本。天を衝くように生えていてあまりに太いので、2人がかりで伐ってもらうことにしました。
TくんとRくんが取り掛かると、待ち切れないJくんは手頃な太さの竹を見つけて1人で伐り始めました。
ノコギリは使い慣れている子どもたちですが、生えている竹を伐り倒すのは容易なことではありません。
3人は黙々と切り進みますが、見かけが大きく変わらないので、女の子達はプリンセスごっこを始め、小さい子達はアジサイの花を見に行ったりオシッコをしに行ったり。
本当に伐れるのか心配になって来た頃、「たおれるぞー!」の声。
クヌギの木々の間を透かして見ると、TくんとRくんが切っていた太い竹がゆっくりと倒れて行きました。
駆け寄ってみると、長い長い竹がまるでプロが伐ったかのようにどこにも引っ掛からず、クヌギとクヌギの間にきれいに倒れています。
TくんとRくんが称賛の嵐に包まれている最中も、Jくんはノコギリを動かし続け、程なくJくんの竹も倒れました。
「1人で伐ったんよ!」と言うJくんの満足そうな顔を見たRくんは、Tくんたちがそうめん流しに使う長さを決めて竹の先端を切り落としている間に、また別の迷い竹を1人で伐ってくれました。
幼児3人が計3本の竹を手作業で伐倒!おそるべし、もりのこえん…
さあみんなで力を合わせて運びます。
ワッショイ、ワッショイ、先を落としても5メートルはありそうなとても大きな竹です。
石畳に足を取られないよう慎重に下って、山下さんちの坂を登り切りました。

どうやって割る?何が要る?割る作業は大人がやりましたが、子ども達は1つ1つ考えて、コツコツ節を抜き、セッティング。JくんとRくんが、ああでもない、こうでもないと竹と支柱や丸太を組み合わせて、考えます。
この頃には、小さい子達はとっくに飽きて、走り回ったりちょっかいを出しに来たり。Tくんが一生懸命ガードマン役をしてくれていました。
小さい子達がひとしきり遊んで昼も近付いた頃、「できたよー」と呼ばれて行って見ると、2本の竹の立派なコースに、山下さんち自慢の冷たくて美味しい井戸水がサラサラと流れていました。
折から照り付けてきた太陽の下、子どもたちは竹の水をすくっては飲み、すくっては飲み、「水そうめんだね!」と大はしゃぎ。
年々少のSちゃんは、自分の頭より大きい丸太を1人で抱えて来たかと思うと、竹の高さがちょうどいい場所に置いて座り、腰を据えて水遊びを楽しみ始めました。
大きい子達もすかさず丸太を運んで来て座り込み、水を堰き止めてすすって飲んでみたり、お弁当に入っていた枇杷を流してみたり。
そうめん流しはそうめんが無くてもこんなに楽しい!!
* * *
実は、大人は自分用のそうめんを忘れずに持って来ていました。コースが完成したら、ちょこっとずつ流してみんなの口に少しずつ入ったら良いかな、などと思っていたのです。
でも、そんなことを言い出すのも野暮なほどの盛り上がりで、子どもたちの遊ぶ力になんだか目からウロコでした。
* * *
水そうめん物語としては、ここで終わるのがきれいですが、そう一筋縄にも行きません。
この時最初は、Rくんが「でも本当のそうめんが良かったー!」と叫んでジタバタしていました。Jくんが「じゃあ、明日そうめんを持って来たら良いじゃん!」と思い付いたお蔭で、納得して存分に水遊びを楽しむことができたのです。
帰りの会では、明日の持ち物の絵を見ながら「そうめん、おはし、おわん、おつゆ」と1人ずつ言って徹底復習。
翌日は朝から火をおこしてそうめんを茹で、丸太に座ってお腹いっぱい流しそうめんを食べましたとさ。

おしまい。
のりこ
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