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もりあそびより
語りのチカラ
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うちの母は要介護認定を受けています。
様々な介護サービスを受けながらなんとか自宅で過ごしていますが、
サービス以外の時間は父が母の介護を担っています。
父は、今までしたことのない家事をこなし、
母の介護をするのは年齢的にも大変なのか、
年齢的なことなのかわかりませんが、
お酒が入ると感情の抑制が効かず、
母が少しの失敗・・・電気を消し忘れたり、食事をこぼしたりしただけで
烈火のごとく怒ります。
加齢や病気が理由での失敗なので、仕方がないことなのに、
父も年齢的にそれを理解し、受け入れるのが難しいようです。
両親は遠方で暮らしているため、私は年に数回
盆正月、GWなどに家に帰るだけだったのですが、
父と母との残り少ない時間を少しでも一緒に過ごしたいなと思い、
今年になって、月に1回は帰るようにしています。
実家に帰った際の私の使命は、父が機嫌よく過ごせるようにすること。
そうすると、母にも穏やかな時間が流れます。
では、父に機嫌よく過ごしてもらうために、何をしたらいいのか。
そんなことを考えていた時に
たまたまテレビでNHKのファミリーヒストリーを見て、
そうだ!父に自分のファミリーヒストリーを語ってもらうのはどうかと思いつきました。
お正月より、帰るたびに父の話を聞いています。
産まれた時の家族構成、そして幼児期、小学生、中学生の時のエピソード・・・。
そろそろ、集団就職の話になります。
父は、自分の苦労話をどれだけでも聞いてもらえるので、ご機嫌です。
初めて聞く話もたくさんあって、私も録音したり記録したり。
そんな時に、どの時代の話をしていても、
何度も立ち戻って話すエピソードがあることに気づきました。
それは父が小学生の時、実父が再婚をして継母をつれて帰ったので、
育ての親の祖母のところを出て、父親と継母の家で暮らすことになりました。
しかし、継母とそりが合わず家を飛び出して、育ての親の祖母のところに戻るのだけど、
祖母には、継母のところに帰りなさいと追い返され、
「帰れ」「帰らない」と大喧嘩をした、という話です。
どんな話をしていても、毎回その話をします。
何度も聞かされるその話を聞きながら、
ああ、父はこの時にひどく傷ついたのだなあと気づきました。
「あの時はほんとに辛かった」という父の話を
何度でも何度でも、「へー、そうなん。そりゃ悲しかったねえ」と言いながら
聞いています。何度話すと、その傷は癒えるのか、わかりませんが、
死ぬまでにその傷が少しでもふさがったらいいなと思い、
「語りのチカラ」を信じて、毎回同じ話を聞いています。
父はこの話をいつから周りに語り始めたのかわかりませんが、
もしこの出来事があってすぐに、身近にこの辛かった気持ちを聞き、
それは辛かったねと抱きしめてくれる人がいたら、80を過ぎてまで
こんな話をし続けることはなかったのではないかと思います。
気持ちを言葉にする、
それを受け止めてもらう
みんなで出来るところからやってみたら、世界が変わるのではないかと思うのです。
まず子どもたちに聞いてみましょう。
「今、どんな気持ち?」
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